GIFUコレ!情報局42
瑞浪市 美濃歌舞伎公演
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◼️美濃歌舞伎公演
そもそも本来、プロの役者ではない一般の方たちによって演じられる、人形浄瑠璃や狂言、歌舞伎芝居などを総称して地芝居といいます。
特に歌舞伎については地歌舞伎と呼ばれ、江戸期より伝統的に受け継がれ、祭礼などと結びついて年中行事的に行われるものをいいます。
日本各地で行われている地歌舞伎の中でも、三つの地域のものについては、ある理由から、研究者の間では、日本三大地歌舞伎という呼称で調べられていますが、今回ご紹介している美濃歌舞伎もその一つなんです。
毎年9月の最終土曜日に長月(ながつき)公演と、その前日に地元の方を対象に敬老公演を行なっています。
会場は、歌舞伎小屋の持つ独特な雰囲気を味わっていただき、収蔵品を見ていただくために、1976年に出来た「相生座」という芝居小屋です。
ここは美濃歌舞伎博物館でもあり、現在では、江戸時代末期より明治、大正、昭和の4つの時代に至る農村歌舞伎の衣裳、かつら、小道具類約4,000点を収蔵していて、それらの一部を展示しています。
今年の芸題は、国訛嫩笈摺(くになまり ふたばのおいづる)・どんどろ大師の場、と三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)・
大川端庚申塚前(おおかわばたこうしんずかまえ)の場、そして一の谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)・熊谷陣屋(くまがいじんや)の場の3つの芸題を行います。
国訛嫩笈摺(くになまり ふたばのおいづる)の見どころ:
この芸題は、一幕の中で、「笑い」と「涙」が味わえるお芝居なんです。
前半は、尼さん2人の掛け合いがとてもコミカルで、関西弁まじりのやり取りに思わず笑ってしまいます。
ところが後半になると雰囲気がカラッと変わり、切ない母子の別れの話が描かれます。
笑いからはじまって、最後は胸に迫る人情劇で締めくくられる。この笑いと涙の対比が、このお芝居の大きな見どころになってます。