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太平洋工業㈱ MATOMAT
太平洋工業㈱の佐野さんにスタジオで【MATOMAT】についてお話を伺いました!
■MATOMATとは
「まとまるとマット」という意味から名前が付けられ、
普段は学校の椅子でクッションとして使い、学校が避難所となるような非常時には
寄せ集めてマットとして活用できる防災マット。
能登半島地震にも復興支援として寄贈されました。
■製品が生まれたきっかけについて
・社会課題の解決
避難所となる学校では児童・生徒たちの座る木の椅子は昔から変わらず硬く・冷たいままです。
学校の椅子という既存のスペースを有効活用することで、
収納スペース不足と硬い椅子によるストレス、
これらの2つの課題解決に繋がると考え発案に至りました。
・太平洋工業の自動車部品を製造する過程で生まれるウレタン端材の廃棄課題
アップサイクルという手法を取り入れ、この課題を製品開発に活かそうと考えました。
MATOMAの内部には、自動車部品の製造過程で生まれるウレタン端材や廃材をリサイクルしています。
これにより、新たな材料を生成する際のエネルギー消費を減らし、CO₂の排出を抑えることができます。
廃棄物を最大限に有効利用することで、環境への負担を減らすことができています。
■開発時の苦労について
使いやすさと耐久性のバランスには苦労しました。
開発当初はカバー素材の耐久性、汚れにくさについて課題がありましたが、
自治体の防災担当や教育委員会の声を反映しながら改良を重ね、
官民連携で作り上げた製品。
また、近隣の小学校で実証実験も行い、児童や先生の意見も取り入れました。
地域の防災フェスなどにも出展し、子供たちや住民の方に使い方を知ってもらう機会も設けて、
有事の際もスムーズに活用できるように周知しました。
■活躍の場面について
家庭のリビング、自動車の座席など、様々な場面でクッションとして使うことができます。
これが、災害が起こった際には、避難所でのマットとして変身するため、
常に持ち歩いたり、特別に保管したりする必要がなく、災害時にすぐに使えます。
普段も非常時も意識せず活用できることを表現する、フェーズフリーと言う言葉がありますが、
MATOMATはまさにフェーズフリーな製品といえます。
避難所でマットとして使うのも簡単で、マジックテープでつけたり外したりできます。
小学校低学年の児童だけでなくお年寄りの方々でも簡単に組み立てることができます。
■周囲の反響について
現場の先生や児童・生徒から非常に高評価をいただけました。
学校の椅子用のクッションとして子供たちから「座り心地が良い」と好評です。
また、避難訓練でのマット使用時もお年寄りの方から
「組み立てが簡単で丈夫」といった声をいただきました。
特に、学校がそのまま避難所になることも多いため、普段使用している
このクッションがそのまま活用できることで安心感に繋がっています。